10月24日:鉄鋼新聞に掲載されました!

【工場ルポ】ワイヤロープの加工拠点/中村工業・神戸工場
高難度の太物加工も可能に

ワイヤロープ加工および販売業の中村工業(本社・大阪市大正区、社長・中村哲也氏)は、4月に神戸工場(兵庫県神戸市)の試運転を開始し、9月から設備や人員などを整え、本格稼働を開始した。敷地面積約2500平方㍍、3階建ての同工場を訪れた。(綾部 翔悟)

九春工業の設備導入で品質向上

神戸工場の1階は、主にワイヤロープの加工場だ。大型加工機を配備し、本社工場(大阪市大正区)では加工が困難なワイヤロープなどを加工している。

中村工業が加工したワイヤロープは、約9割が仲間売り。発注者である同業者の品質要求は非常に高いため、神戸工場には最新の加工機などを配備している。同工場のワイヤロープの加工機は、台湾の九春工業の設備がメーン。中村社長は「九春工業の製品は、80カ国以上に販売実績がある世界のスタンダードで、世界最大手ワイヤロープ加工設備メーカーだ」とし、「九春工業の邱明傑会長と会い、将来像を共鳴して、代理店契約および設備を導入した」と話す。

同工場最大規模の設備は、九春工業製で世界最大級の6千㌧プレス機「WIROP WP―6000」だ。同プレス機は、最大6千㌧のプレスにより、加工が困難だった太物のワイヤロープの加工が可能になるなど加工性に優れる。また、油圧シリンダーが上部に設置されているため(従来は下部に設置されている)、容易にメンテナンスが行える。また、9月には九春工業の最新の自動検尺切断機を導入。この切断機は、従来、作業員がワイヤロープを引っ張る工程を、自動で行う。そのため、作業速度および加工精度などが向上する。そのほか、多種多様なワイヤロープ加工を行うため、600㌧プレス、15㌧クレーンや15㌧反転機などが配置されている。「ワイヤロープ加工における人材および設備は整った。これからは、品質向上・ユーザー数増・稼働率上昇につながる取り組みを実施する」という。

中村工業が加工するワイヤロープは東京製綱を筆頭に、ユーザーの要望に合わせて国内外から調達している。また、講習会にも使用出来るミーティングルームも1階にある。

米メーカーの日本総代理店で在庫充実

1階には、ワイヤロープの加工場とミーティングルームだけでなく、中村工業が代理店を務める米国吊り金具メーカー大手であるCrosby(クロスビー)の商品などの在庫スペースがある。そこには、クロスビー社のシャックルやソケット、リング、フック、アイボルトなどのクロスビー商品のストックがある。

同社は今年2月に、クロスビー製品のワイヤロープ加工講習会を同工場1階で開催。また、クロスビー商品とワイヤロープをセットでの販売を模索するなど積極的にクロスビー商品の拡販に努めている。

即納体制整う多機能工場

繊維ロープ加工業者の職人不足を背景に、中村工業は、2階のスペースを利用して繊維ロープ加工事業にも着手する予定だ。また、3階は、主に会議室として使用する。会議室からは六甲山や神戸の港町など優雅な景色を見ながら商談などに臨むことができる。「少しでも商談が円滑に進めばよいと思い、この間取りを考えた」と笑みを浮かべる。

神戸工場は、ワイヤロープ加工だけでなく、代理店商品の倉庫機能や繊維ロープ事業、商談ルームなどを兼ね備えた多機能工場だ。

同社が第2の加工拠点にする同工場は、阪神高速5号湾岸線から車で5分もかからず配送面も優れる。「品質面だけでなく、即納体制も整っているのが神戸工場の強み」と話し、今後も工場の強靭化に努める方針だ。

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